9月某日
クッキングスタジオ「サザンスパイス」のレッスンではなく、ただ私自身が「食べたいな」という欲求に従い、「ベジタブル・ビリヤニ」を作る。南インドで「ビリンジ」と呼ばれる、特別なバージョンだ。
日本人のインド料理ファンに意外に多いのは「ビリヤニは南インド料理」だという勘違い。
特に東京の場合、「本格ビリヤニ」と称するモノを出すレストランが南インド系にやたら多いからだが、ビリヤニは中央アジアのイスラームご飯が起源であり、完全に北インドからインド全土に広がったものである。
特に東京の場合、「本格ビリヤニ」と称するモノを出すレストランが南インド系にやたら多いからだが、ビリヤニは中央アジアのイスラームご飯が起源であり、完全に北インドからインド全土に広がったものである。
ビリヤニの三大聖地は
・デリー(インドの首都)
・ラクナウ(北インド、ウッタル・プラデーシュ州の州都)
・ハイデラバード(南インド、アーンドラ・プラデーシュの州都)
であるが、3か所ともイスラーム文化が優勢な土地。つまりビリヤニはイスラーム系料理なのである。
・デリー(インドの首都)
・ラクナウ(北インド、ウッタル・プラデーシュ州の州都)
・ハイデラバード(南インド、アーンドラ・プラデーシュの州都)
であるが、3か所ともイスラーム文化が優勢な土地。つまりビリヤニはイスラーム系料理なのである。
イスラーム系料理の真髄は肉料理、これは全世界共通。
だから「マトン・ビリヤニ」と「チキン・ビリヤニ」という2種類の肉によるビリヤニが基本であり、三大ビリヤニ聖地でも、これら肉のビリヤニが主流であり、逆にはっきりいって「野菜のビリヤニ」はマトンやチキンほど魅力的ではない。
だから「マトン・ビリヤニ」と「チキン・ビリヤニ」という2種類の肉によるビリヤニが基本であり、三大ビリヤニ聖地でも、これら肉のビリヤニが主流であり、逆にはっきりいって「野菜のビリヤニ」はマトンやチキンほど魅力的ではない。
その点、「ベジタブル・ビリヤニ」がバツグンなのは、独自のベジタリアン文化が花開いた南インドである。
別名「ビリンジ」ともいわれる南インド式ベジタブル・ビリヤニはまず、ビリヤニ用のマイルドなカレー「クルマ」を作ることからスタートする。
ビリヤニ用「ベジタブル・クルマ」。
北インドで「コルマ」と呼ばれるマイルドなカレーの南インド版だ。ヨーグルトベースですりつぶしたカシューナッツが味のポイント。トマトは使わない。野菜はニンジン、ジャガイモ、カリフラワー、インゲンなど。仕上げに生のミントの葉が欠かせない。
これだけで十分に美味な「クルマ」を作ったら、バスマティ・ライスを硬くゆで、一つの鍋でクルマとライスをミックスして蒸し上げる。
こうしてできたのが、これ。やはり北インド式の凡庸な野菜ビリヤニとはまるで違う。
すりつぶしたカシューナッツとヨーグルトのマサラが、極細のバスマティ・ライスの一粒ごとにコーティングされるのがポイント。青唐辛子もすりつぶすので、少しクグリーンががっている。
北インドのビリヤニの重ね蒸しによってできる、まだら模様はできない。蒸し上げる際、すでに鍋の中でクルマとゆでた米を混ぜてしまうからだ。それから蒸すのが、実は大きなコツの1つ。
こういうビリヤニを作る店はたぶん日本にないと思う。
ときどき「サザンスパイス」レッスンでも取り上げるので、ぜひどうぞ。
ときどき「サザンスパイス」レッスンでも取り上げるので、ぜひどうぞ。
《このブログを書いているときのBGM》
THE DOORS『SOFT PARADE』(1969)
前作同様評価の低い4枚目のアルバム。実際、冒頭から「プレスリーやシナトラ」も好きだったというジム・モリソンらしい(?)、妙に甘口なサウンド。ブラスやストリングスも随所に登場。私もめったに聴かない。
http://www.youtube.com/watch?v=VAv6_ZebiN0
THE DOORS『SOFT PARADE』(1969)
前作同様評価の低い4枚目のアルバム。実際、冒頭から「プレスリーやシナトラ」も好きだったというジム・モリソンらしい(?)、妙に甘口なサウンド。ブラスやストリングスも随所に登場。私もめったに聴かない。
http://www.youtube.com/watch?v=VAv6_ZebiN0
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