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Channel: カレー&スパイス伝道師☆ブログ
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インド独立記念日とタンドゥーリ・チキン

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1947年8月15日

 インドはイギリスからパキスタンと分離独立しました(パキスタンは前日の8月14日、インドを挟んで東西パキスタンという奇妙な形で独立。これが後にバングラデシュ独立の苦難の歴史を生み出します)。

 独立時には、イスラーム国家であるパキスタンに避難としたインド国内のイスラーム教徒とインド中心部に移動しようとしたヒンドゥ教徒の間で、悲劇的な殺戮抗争が繰り広げられたともいわれています。

 また、独立時に西北インド、パンジャーブ地方から首都デリーに流れ込んで移民化した人たちによって作り出されたのが「タンドゥーリ・チキン」と「バター・チキン」だという話もあります。

 つまり、もともとタンドゥール窯はナーンなどのパンを焼くためだけにあったのを、串刺しの丸ごとチキンを焼くことで新しいメニューを創出したのがタンドゥーリ・チキン。そして余ったタンドゥーリ・チキンをトマトベースのカレーソースでサッと煮たのがバター・チキンというわけです。

 はじめてタンドゥーリ・チキンとバター・チキンを創作したのはオールドデリーにある「モティ・マハル」レストランらしいのですが、ややこしいことに、長年この本家と別の分家が元祖争いをしており、今や本家の方が劣勢という事実があります(分家代表がニューデリーなどにある「モティ・マハル・デラックス」。もっとも、そちらにいわせれば「ウチが元祖」なのですが)。

 そんなわけで、いつもこの時期になると「タンドゥーリ・チキンのオリジナルはいったい誰のものか」ということに想いを馳せたりします。

イメージ 1
 本家の店。店内客席はもっとシブいです(雑誌ダンチュウ2007年8月号に現地取材記事があります)。

イメージ 2
 これが本家の元祖バター・チキン。

イメージ 3
 本家のログニ・ナーン(バターを練り込んだ生地をクロワッサンのように幾層にもしてからナーンの形にして焼き上げたもの。いわば「精白パラーター」のナーン)。形が細長いのはパンジャーブ料理の特徴です。美しいですね。

《このブログを書いているときのBGM》
TYRANNOSAURUS REX『UNICORN』(1969)
 電化する前のT-REXの最高作といわれていますね。無国籍サウンドで、私も好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=Pc7_K3IuZ8Q&feature=related

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