3月某日
クッキングスタジオ「サザンスパイス」のレッスンなどで、ときどき質問されるのが、タイトルのような内容。
そんな質問に答えるたび、「ビリヤニ」という語が日本でも定着してきたなという実感が湧き上がるとともに、勝手な情報や生半可な知識の蔓延にも気をつけたいと考えたりする。
まず申し上げておくと「ビリヤニ」と「プラオ」ともにさまざまなバリエーションと例外的レシピがあるため、両者の厳密な区別は不可能である。
その上で、原則的な特徴や、その違いを、私の個人的見解として述べておく。
【使う米の違い】
ビリヤニ→原則、バスマティ・ライスを使用。ジャスミンライスや日本米はダメ。ケララの「カイマ・ライス」などあり。パスタのようにゆでてから使用。
プラオ→バスマティ・ライス、ジャスミンライス、日本米など。何でもオーケー。ゆでずに炊き込む。
ビリヤニ→原則、バスマティ・ライスを使用。ジャスミンライスや日本米はダメ。ケララの「カイマ・ライス」などあり。パスタのようにゆでてから使用。
プラオ→バスマティ・ライス、ジャスミンライス、日本米など。何でもオーケー。ゆでずに炊き込む。
【調理法】
ビリヤニ→原則「ダム」と呼ばれる「重ね蒸し」。そのほか「混ぜ込み」「炊き込み」「炒め」などあり。
プラオ→原則「炊き込み」。そのほか「混ぜ込み」や「炒め」。ときに「重ね蒸し」もあり。
ビリヤニ→原則「ダム」と呼ばれる「重ね蒸し」。そのほか「混ぜ込み」「炊き込み」「炒め」などあり。
プラオ→原則「炊き込み」。そのほか「混ぜ込み」や「炒め」。ときに「重ね蒸し」もあり。
【ベースになるカレー】
ビリヤニ→ヨーグルトベースで揚げタマネギ使用が基本。ただし南インドなどではトマトベースも。
プラオ→トマトベースもあり。またカレー自体を使用しないことも多々あり。
ビリヤニ→ヨーグルトベースで揚げタマネギ使用が基本。ただし南インドなどではトマトベースも。
プラオ→トマトベースもあり。またカレー自体を使用しないことも多々あり。
【風味づけの食材】
ビリヤニ→前述ヨーグルトのほか、生ミントの葉、サフランがほぼ必須。
プラオ→ミントやサフラン不要。
ビリヤニ→前述ヨーグルトのほか、生ミントの葉、サフランがほぼ必須。
プラオ→ミントやサフラン不要。
だいたい、こんな感じ。異論もあるだろう。あくまで個人的見解である。
例えば、バスマティ・ライスを使わず、炊飯器で炊く「ビリヤニ」が雑誌などでときどき紹介されるが、違和感がある。ごく一部の「ご当地米」を除き、バスマティ・ライスにはこだわりたい。下ごしらえはもちろん「湯とり法」によるパスタ的ゆで調理。
ビリヤニの調理法は、やっぱり「ダム」の重ね蒸し。炊き込みはプラオ的である。
そしてミントの葉とサフラン。これら2つで、ビリヤニとしての香りも段違いになる。
バスマティ・ライス使用、カレーはヨーグルトとフライド・オニオン、重ね蒸し調理、ミントの葉、サフランすべて網羅のチキン・ビリヤニ。クッキングスタジオ「サザンスパイス」のレッスンにて。
バスマティ・ライス使用のチキン・プラオ。炊飯器で炊き込んでみた。
上のプラオを混ぜたところ。パラパラとしたバスマティ・ライスの食感がナイス。サフランやミントは未使用。カレーも作らず、スパイスでチキンを炒め、生米と炊き込むスタイル。日本米でつくっても美味。
ともあれ、ビリヤニのイメージとしては「バスマティ・ライス使用。ヨーグルトとフライド・オニオンを使ったカレーと、かたゆでしたライスの重ね蒸し仕上げ。ミント、サフランも使い、できあがりはマーブルカラーで香りよし」という感じ。
そもそも日本米を使用したら、重ね蒸し調理はうまく行かないはず。吸水率が異なるからだ。そこで、炊飯器使用や鍋での炊き込みとなるが、バスマティ・ライスならでは香りと食感のよさは再現できない。
入手の容易さや手軽さより、外国の食文化をできるだけ忠実に日本に紹介したいというのが、私の根本的な考えだ。それに、ありふれた日常からのちょっとした逸脱のあった方が、食体験も印象深いはず。
★今月28日、サザンスパイスの「スパイシーカフェ開業指南講座」では「チキン・プラオ」を取り上げる。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~masala/southern%20spice%20cooking%20class%20march%202015.html
興味のある方はぜひどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~masala/southern%20spice%20cooking%20class%20march%202015.html
興味のある方はぜひどうぞ。
《このブログを書いているときのBGM》
CHRIS SPEDDING『HURT!』(1978)
クリッシー・ハインドらがバック・ボーカル。ご本人も絶好調の名盤。
https://www.youtube.com/watch?v=pBJG1hOV1iQ
ワンマイクのフライングVもカッコいい。かつてジャズロックをやっていた人とは思えないトンガリ方も爽快。
CHRIS SPEDDING『HURT!』(1978)
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★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!