1月1日
2年前にきたときも気になっていたのだが、ベトナムにも、当然のように「インド人が経営するインドレストラン」が存在する。この地のインド料理事情はどのような感じなのだろう。
せっかくなので、ランチの後、1人でホテル近くにあるインドレストラン「ババズ・キッチンBABA'S KITCHEN」に行ってみた。
看板に「ハラル」と「ベジタリアン」両方オーケーとあるように、メニューも予想以上に幅広く、パンジャーブやムガル宮廷料理など北インドと、ドーサやイドゥリなどの南インド料理が違和感なく共存していた。
スタッフは皆インド人と思われる。それも南ぽい顔の人が多い。
私は「ペーパー・マサラ・ドーサ」をオーダー。鉄板の温度管理が難しいドーサをあえて頼み、店の力を測ってみた。
案の定、料理がなかなかこない。
私はビールを飲みながら、まわりのテーブルをさり気なくチェック。タンドゥールや北インドのカレーを食べている客が多い。客層はほぼすべて観光客、それも欧米人ばかり。
30分以上かかってドーサが登場。
私はビールを飲みながら、まわりのテーブルをさり気なくチェック。タンドゥールや北インドのカレーを食べている客が多い。客層はほぼすべて観光客、それも欧米人ばかり。
30分以上かかってドーサが登場。
ドーサはいわゆる「コーン形」のディスプレイ。ただし、これはジャガイモのスパイス炒めを入れた「マサラ・ドーサ」ではあまり採用しないはず。
付け合せに、まずは「サンバル」。いわずと知れた南インドを代表するベジタリアンの野菜入り豆カレーだ。
具の野菜がオクラ、ニンジン、ナス、インゲンとバラエティ豊か。具の多いサンバルは、欧米からの宿泊客の多いインド一流ホテルの朝食ブッフェでも常套パターン。欧米人を意識しているのは、明らかといえる。
サンバルの豆はトゥール・ダールではなく、ムング・ダール。味は、昔、私が修業していた頃の「アジャンタAJANTA」のサンバルに似ている。なかなか美味だ。
チャトニは2種類。ココナッツとトマト。カラフルな色合いがイイ。南インドらしく、マスタード・シードとタカノツメのテンパリング(「テンパリング」については拙著『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)や『カレーな薬膳』(晶文社)にくわしい)。
上から見るとこんな感じ。
メニュー構成や出てきた料理のディテールから、私には、全体的に「本気を出していない」感じがした。観光客相手なら十分のクオリティだが、それに安住しないでほしい。本当はもっと細部にこだわって、本場のおいしさに迫れたはず。
外地のインド料理店経営とすれば、こういう店のあり様はたいへんクレバーでスマートといえる。しかし、やっぱり私はものたりなかった。外地で食べる本場の味が好きだ。
《このブログを書いているときのBGM》
UPP WITH JEFF BECK『UPP』(1975)
イギリスのジャズ・フュージョン系バンドのデビュー盤にシェフ・ベックがゲスト参加。
https://www.youtube.com/watch?v=NzDqqxKnW3o
『BLOW BY BLOW』の世界ですね。
UPP WITH JEFF BECK『UPP』(1975)
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