1月6日
この日、現地時間の午前1時すぎ、無事ベトナム南部最大の都市サイゴンに到着(本当はホーチミン市だが、ベトナム戦争をリアルタイムで知る私にはコチラの方がしっくりくる)。
夜のサイゴンは、南インドのマドラス(こちらも本当はチェンナイだが、この呼び名が似つかわしい)に似ていて、初めてきた街という感じがしない。おいしいものへの期待感が自然と高まる。
サイゴン市内の「パハル・ガンジ」あるいは「サダル・ストリート」(前者はデリーの、後者はカルカッタ屈指の安宿街でバックパッカーの目的地のひとつ)ともいえそうなヒップなエリアPHAM NGU LAOにあるホテルにチェックインしたのは午前2時すぎ。
この時間でも飲食店がやっていて、ベトナムヌードルやビールなど楽しんでいる人々の姿も。伊藤忍さんと私は「おなかもすいてきた。このまま寝るのもしのびない」という点で意見が一致。
で、夜中の3時前、伊藤忍さんおすすめの「フォー屋」に行ってみた。私には記念すべき、初の本場ベトナム料理である。
いきなりハーブの皿がドカン。これだ、待っていた世界は!
続いてホカホカに熱いモヤシが登場。サッと湯通ししたのだろう。
とともにライムの形のレモンと薄切りの赤唐辛子も。これらはそのままインド料理にも使われる。
出た、これが本場の「牛肉のフォー」。
タマネギと青ネギが両方入り、牛肉のスライスもよく見ると、いくつかの部位がミックスされ、上からたっぷりの粗挽きブラック・ペパー。芸が細かいぞ。
そして何といっても透明感あふれるスープ。これはおいしそうだ。
伊藤忍さんの著作『ベトナムめしの旅』にフォーについての意外な真実が書かれているので、初ベトナムに際して、よく読んで予習しておいた。それによれば
・フォーはフランス人が自分たちの好きなビーフをおいしく食べるために編み出したメニュー。
・よって、もともとは「牛肉のフォー」がベーシック。現在「鶏肉のフォー」もあるが、これはやや後発。
・よって牛肉のダシが存分に出たスープがフォーの真髄。スープの出来映えがフォーでは大事で、日本のラーメンに似た仕込みになるため、基本的に家庭料理でなく、外食料理である。
・ベトナム料理の代表がフォーであると日本で喧伝されてるが、これは間違い。ベトナムではフォー以外の麺、とりわけ「ブン」の方がメインアイテムであり、それほどフォーは食べられない。
というようなことがいえるという。
・フォーはフランス人が自分たちの好きなビーフをおいしく食べるために編み出したメニュー。
・よって、もともとは「牛肉のフォー」がベーシック。現在「鶏肉のフォー」もあるが、これはやや後発。
・よって牛肉のダシが存分に出たスープがフォーの真髄。スープの出来映えがフォーでは大事で、日本のラーメンに似た仕込みになるため、基本的に家庭料理でなく、外食料理である。
・ベトナム料理の代表がフォーであると日本で喧伝されてるが、これは間違い。ベトナムではフォー以外の麺、とりわけ「ブン」の方がメインアイテムであり、それほどフォーは食べられない。
というようなことがいえるという。
つまり、ベトナムのフォーは、本当はインドの主食でない「ナーン」と同じような位置づけなのである。これは日本であまり知られていない事実だろう。驚きでもある。
とはいえ、日本では「ベトナム料理の代表」であることは疑いない。
ここはキッチリとチェックしようではないか。
ここはキッチリとチェックしようではないか。
出てきたフォーのスープをまずはグビリ。
ありきたりだが、ビーフのダシがバツグン。味わいは濃厚だが、あっさりめで脂も少なく、よく澄んでいる。
ありきたりだが、ビーフのダシがバツグン。味わいは濃厚だが、あっさりめで脂も少なく、よく澄んでいる。
良質な韓国料理に通ずるビーフ仕立てのスープのうまさ。これはちょっと意外な魅力の発見だ。
これまた、伊藤忍さんの本によれば「ベトナム料理の特に麺は80パーセントの味つけで供される。後の20パーセントは卓上の調味料なども活用し、自分で好みに完成させよう」とのこと。
そこでモヤシやハーブをのせ、ライム型のレモンをギュッと絞ってみた。
たっぷり入れたハーブ類の香りとモヤシの食感がイイ。
しかもライムで味がグッと締まり、使われている材料すべての持ち味が前面に出た。
狙い通りの美味である。ウマいなあ。
さらに赤唐辛子のスライスも追加。かなり辛い、そしてウマい。かき混ぜて食べよう。
食べ進めるうちに新たな発見が。ライムを絞ったフォーのスープからホンノリとスパイスの香りがしてきたのだ。
私の分析ではスターアニス(八角)、シナモン・スティック、クローブあたりは確実に入っている印象。
牛肉のスープに八角、シナモン・スティック、クローブとはユニークだ。だが余計なクセを消し、マトンに共通するうまみを引き出すにはきわめて有効だ。本場のフォー、スゴいぞ。
私の分析ではスターアニス(八角)、シナモン・スティック、クローブあたりは確実に入っている印象。
牛肉のスープに八角、シナモン・スティック、クローブとはユニークだ。だが余計なクセを消し、マトンに共通するうまみを引き出すにはきわめて有効だ。本場のフォー、スゴいぞ。
伊藤忍さんによれば、実際これらのスパイスはよく本場のフォーのダシに使われ、さらにカルダモンやビッグ・カルダモンも使われるという。
フォーにもスパイスはキッチリ入るのだ。これはベトナム到着早々、ナイスな発見である。
フォーにもスパイスはキッチリ入るのだ。これはベトナム到着早々、ナイスな発見である。
おいしいフォーにスパイシーな発見。
ベトナムヤミーズツアー、幸先いいスタートだ。
ベトナムヤミーズツアー、幸先いいスタートだ。
《このブログを書いているときのBGM》
YouTubeでTALKING HEADS『REMAIN IN LIGHT』(1982)
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&NR=1&v=jFrMN1l4c3U
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