12月某日
東京、阿佐ヶ谷にあるインド・ネパール料理「クマリ」で打合せ兼夕食。
インド・ネパール料理店というのは、たいてい「ネパール系の人々が作るインド料理の店」という意味である。
ネパールの人たちは日本人同様器用で、しかもインドは隣国で食文化も似ている(同じではない)から、インド料理調理術の習得には長けている。
たいてい、その習得地はデリーを中心とした北インドのレストランであり、結果的にネパール出身のシェフが供するのは、北インドのレストラン式インド料理、つまりはパンジャーブ料理とムガル料理のミックスである。
これを具体的に解説すれば、たいていカレーはミキサーにかけた滑らかなグレービー(カレーソースのこと)を使用。
生クリームやナッツのペーストの使用率も高く、トッピングに生クリームをまわしかけてあることが多い。
またナーンは細長いパンジャーブ型のシェイプだが、食感と味つけはフンワリしてちょっと甘いイスラーム系に近い。
生クリームやナッツのペーストの使用率も高く、トッピングに生クリームをまわしかけてあることが多い。
またナーンは細長いパンジャーブ型のシェイプだが、食感と味つけはフンワリしてちょっと甘いイスラーム系に近い。
ネパール出身のシェフで南インド料理が得意とか、ディープなイスラーム料理を専門とする人はほとんどいない。これは就職事情、あるいは修業の場や宗教の違いからくるものだろうし、何といっても、最終的にはネパール料理が圧倒的においしいから、そんなものに職業上以外興味はないという気もする。
阿佐ヶ谷「クマリ」は、基本的に北インドのレストラン料理を供する、ネパール人シェフとネパール人スタッフの人気店である。
そんな中、具材の合わせ方やちょっとした味つけのディテールに、インドとは異なるネパール的個性が光っている。ふつうの日本人はわからないが、インド人シェフや私には理解できる。
そんな中、具材の合わせ方やちょっとした味つけのディテールに、インドとは異なるネパール的個性が光っている。ふつうの日本人はわからないが、インド人シェフや私には理解できる。
この日私がオーダーしたのはパニール(インドのカッテージチーズ)を具にしたマサラ(通常のカレーよりも濃厚なグレービーのスパイス煮込み)とナーン。
パニール・マサラ。
ニューデリー付近の典型的パンジャーブとムガル料理ミックスレストランのスタイルだ。
私が師匠から習った本場のレシピを応用した、手軽でおいしい「マサラ・グレービー」(マサラ用カレーベース)の作り方(師匠は超老舗名店「カリムホテル」やインド最高の「ボンベイ・タージ・ホテル」の出身)は拙著『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)にくわしく掲載されているが、これはそれとまったく違う。
私のマサラ・グレービーは、みじん切りのタマネギ、トマト、スパイス類で作る。
しかし、これはタマネギはミキサーでトロトロ。またおそらくトマトはほとんど使っておらず(トマトペーストかピューレを少量か)、ヨーグルト、カシューナッツのペースト、生クリームをメインに構成されているはず。
注目すべきはパニール(インドのカッテージチーズ)が生のまま煮込まれていること。日本だと、保存性を考え、一度素揚げしてからカレーに入れるのがふつう。こうすると味や食感が落ちるのだ。
上の白いのはそれとは別のトッピング用の崩し卸したパニール。
ほかにトッピングとしてショウガの千切り。グリーンは香菜ではなく小ネギ。これはちょっと残念だ。
細長いナーン。インドで食べる細長いパンジャーブ型ナーンだと、もっとペッタリと薄くて、フワフワしていない。これはフンワリとして甘味も強め。食べやすく美味だ。
カレーの種類が充実しており、味も安定している。
中央線沿線で、ちょっとコッテリした北インドの味が恋しくなったらおすすめだ。
中央線沿線で、ちょっとコッテリした北インドの味が恋しくなったらおすすめだ。
《このブログを書いているときのBGM》
IGGY POP『SOLDIER』(1980)
ピストルズのベース、グレン・マトロック、XTCのキーボード、バリー・アンドリュース、リッチ・キッズのギター、スティーヴ・ニュー、パティ・スミスのギター、イヴァン・クラールという豪華なバックのソロアルバム。
http://www.youtube.com/watch?v=I00Zw4Danmk
変態的キーボードがバツグン。
IGGY POP『SOLDIER』(1980)
ピストルズのベース、グレン・マトロック、XTCのキーボード、バリー・アンドリュース、リッチ・キッズのギター、スティーヴ・ニュー、パティ・スミスのギター、イヴァン・クラールという豪華なバックのソロアルバム。
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変態的キーボードがバツグン。
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