12月某日
2011年年末も押し詰まったある日、八王子にある「ヘルシーなスパイス料理の店」インドラに行ってきました。
この店の存在を知ったのは、私が大学に入って上京した年のこと。多摩美や造形大でロックをやっている連中から「インドっぽいノリで、すごくおいしいカレー屋がある」という話を聞いたのが初めでした。
当然ながら、私がインド料理に関わる前の話でしたが、以来、料理の世界に足を踏み入れた後も、その存在はたいへん気になりつつも、どうしたわけか来訪できず。「インドラ」は、私の中で半ば幻の店になっていたのでした。
それがここにきて、サザンスパイスの生徒に「インドラ」の常連さんがいらっしゃることが判明。ずうずうしくも「初インドラ」のきっかけ作りをお願いしてしまったのでした。
八王子の駅から歩いて7、8分、周囲の環境も含め、何ともいい雰囲気です。いい意味でいかにも中央線的なノリ(西荻窪に似ています)、シモキタぽい感じでもあります。昔の早稲田界隈や神保町にもこういう店あったかも、という風情も感じました。
オーナーシェフの順子さんにおまかせして、いろいろいただきました。
初めていただいたキプロスのビール。香りがよくたいへん美味で、気に入りました。あまり売られていないようです。
大根とカニのサラダ。大根の食感とカニのうまみが印象的。酒が進みます。
チャナ・マサラ。トマトベースのマサラで伝統的なインド料理が基本なのですが、どこか懐かしい味がします。スパイスの使い方がオリジナルですね。ハマリますよ、これは(後のアイテムも皆、スパイス使いにオリジナリティがあふれていました)。上にのっているのは香菜。全粒粉のチャパティでいただきました。チャパティがメニューにあるのはうれしいですね。
タマネギのアチャール。これも味つけに工夫がこらされています。普通のインド料理店にはないテイストで美味。
カリフラワーのトマト炒め。サブジですね。カリフラワーの食感をきっちり残しているのが、日本人好み。トマトベースのマサラの絡みもバツグンです。
名物の一つ、挽肉とナスのカレー。実はこれが食べたかったのです。挽肉はポーク。チャパティで食べるとバカウマです。インド料理のようでインド料理でない、独特の魅力全開でした。これ目当ての常連多数というのも納得。
ポークと野菜のカレーをターメリックライスとともに。ゴロンとした野菜はインド料理にはないもので、お肉とともにインドぽいカレーソースとの相性抜群。ご飯のおいしさにもシビレました。
オーナーシェフの順子さんは、初めて行ったカルカッタで、インド料理の魅力にとりつかれたそう。これは偶然にも私と同じ。76年の開店といいますから、私の初インドよりちょうど10年前。
それにしてもカルカッタ、あんなに汚くてすごしにくいのに、日本人を魅了する不思議な街です。
彼女の創る味はインド料理をベースにしながらも独自のもの。でも、なんちゃってエスニックなノリとはまったく異質で、非常に深いところで、インドやインド料理と結びついている。そんなドッシリとした安心感・安定感があります。それが私に「懐かしさ」を意識させたのかもしれません。
私に懐かしさを感じさせた理由を他にもいろいろ考えたのですが、1つには、ゴアやオリッサのプリー、あるいは南インドのヒップなリゾート、マハバリプラムなどにある、西欧の旅人たちに人気のあるビーチレストランの味に似ているかも、というのがありました。
いやはや、30年来の希望が現実になって感激でした。どれも想像以上の美味。順子さんの人柄も最高で、近くにあったら足しげく通いたくなる、そんな店です。
まだ、他にも食べたいメニューがありますので、近々再訪しようかと考えています。
《このブログを書いているときのBGM》
ゆらゆら帝国『ミーのカー』(1999年)
多摩美ぽいバンドというと、なぜかこの方々を想い出します。毎回、ジャケットもアートしていてイイですが、これも秀逸。
http://www.youtube.com/watch?v=bxnNhpibP1s
カッコいいです。
ゆらゆら帝国『ミーのカー』(1999年)
多摩美ぽいバンドというと、なぜかこの方々を想い出します。毎回、ジャケットもアートしていてイイですが、これも秀逸。
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カッコいいです。
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