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Channel: カレー&スパイス伝道師☆ブログ
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「ニンニクのみじん切り」を粗めにたっぷり これで南インドカレーはウマくなる

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9月某日

 私の本では、カレーやマサラを調理する際、タマネギのスライスやみじん切りをそのカレーに合った段階にまで炒めた後、
「ジンジャー・ガーリック・ペースト(ショウガとニンニク同量のすりおろし)」を加える
 という工程になるのが通例だ。

 ちなみにプロの場合、「ジンジャー・ガーリック・ペースト」は市販の「おろしショウガ」と「おろしニンニク」を任意の割合で混ぜるほか、スライスしたショウガと皮むきしたニンニクを少量の水とともにフードプロセッサーやミキサーにかけてペーストにしたものを使うことがある。

 後者の場合、水気がやや多いので、鍋の側面に打ち付けるようにして水分を飛ばしつつ加えるインド人シェフや、タマネギの前に鍋に加えるインド人シェフを観たことがある。

 いずれにせよ、ジンジャー・ガーリック・ペーストはタマネギ炒めとワンセットのような形でよく使われる。

 ショウガやニンニクを入れる意味だが
・特に肉やシーフードのクセを取り、うま味を引き出す
・カレーソース自体の風味を深める
・ショウガ、あるいはニンニクの風味自体をあえて目立たせて、料理の個性とさせる
 といったことが考えられる。

 このうち、ニンニクはとりわけノンベジに強い食材であり、肉やシーフードのカレーに欠かせない代わりに、野菜料理には不要なことも少なくない(南インド料理を代表するベジタリアンカレー、「サンバル」にジンジャー・ガーリック・ペーストが使われないのが好例)。野菜カレーでニンニクが似合うのは南インド料理のスープカレー「ラッサム」、北インド、パンジャーブのホウレンソウカレーなどだ。

 ショウガとニンニクはすりつぶすと下ごしらえがかんたんだし、香りの出と味の伸びがよく、重宝だ。

 しかし、ショウガ、ニンニクとも、すりおろし以外の下ごしらえで使われることがあるのが、本場のインド料理の奥深さである。

 特に私がおすすめするのは、ニンニクのみじん切り、それも3~5ミリ角のゴツゴツと粗めのやつをショウガの2倍から3倍用意し、それをガッツリ入れた南インドの「エビカレー」や「フィッシュカレー」。

イメージ 1
 こんな感じ。左のショウガのすりおろしが大さじ1程度。ニンニクは3かけほど用意して粗くみじん切りにする。

イメージ 2
 こうして作った「南インド・マラバール風フィッシュカレー」。
 魚はトラウトサーモン(インディアンサーモンの方が脂がのってウマい)。ココナッツの甘味とタマリンドの酸味のバランスがポイント。見た目ではわからないが、食べるとニンニクがガンガン。それがまた美味。

 南インド料理では「ジンジャー・チキン」「ガーリック・チキン」といった、それぞれの風味を利かせたカレーやマサラがあるし、「チキン・チェティナッド」「チキン・ペパー・フライ」「マトン・フライ」といった有名ご当地カレー系メニューにも、ニンニクの粗みじん切りをたっぷり使うことが少なくない。

 粗みじん切りばかりではなく、日本のよりはるかに小さいニンニクの粒を皮むきして丸ごと入れて煮込むチキンカレーやフィッシュカレーは南インドにあり、これまた美味。

 さらにはムンバイのあるマハーラシュトラ州や北インドにも、意識的にニンニクを増やしたカレーがある。

 粗めのニンニクみじん切りをたっぷり南インドのシーフードカレーに入れてみる。絶対おいしいので、ぜひお試しを。

☆南インドのフィッシュカレーのレシピは
『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)
http://www.natsume.co.jp/book/index.php?action=show&code=005470
『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/65622245.html
 などにあり。

《このブログを書いているときのBGM》
LED ZEPPELIN『検(1971)
 昨日に続きジョン・ボーナム師に敬意を表して。
http://www.youtube.com/watch?v=be8YXGsYKSY
 ギターとドラムのカウントが一部異なる複合リズムがインド音楽的。それにしてもカッコよすぎる。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!




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