8月某日
南インドを代表するカレーの一つが「サンバルSAMBAR SAMBHAR」。東南アジアの辛いチリペーストがやはり「サンバルSAMBAL」だが、綴りも含めて、別物だ。混同しないように。
はっきりいって、日本のインドレストランで、おいしいサンバルを供するところは案外少ない。ひどいところだと「野菜入りダールカレー」のところもあったりするが、それが人気店だったりするので、始末に負えない。
本場南インドがどうかといえば、おいしいのが当たり前のようにも感じられるが、よくよく注意して、いろいろ食べてみると、その味わいや濃度、見た目の感じなど実にさまざま。ときにはイケていないのにもブチ当たる。
日本についていえば、おいしいサンバルについて書かれた料理書もレストラン同様という感じ。最近出たものも含め、ことサンバルに関して、まともなレシピが掲載された料理本は、私のもの以外、日本にはまだないといい切っていいと思っている。インド料理の伝統や基本をわかっていない料理家と編集者がいかに多いかということでもありがっかりするが、世直しするつもりだ。
そんな状況の下、クッキングスタジオ「サザンスパイス」では、南インド料理のマストアイテムということでサンバルに敬意を表し、なるべく定期的に「おいしいサンバルのつくり方」を伝授する教室を実施している。また『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)や『カレーな薬膳』(晶文社)など拙著でも、おいしい「サンバル」のレシピをゲットできる。
サンバルをつくるとき、あると便利なのは「サンバル・パウダー」だ。
ガラム・マサラと同じように複数のホール・スパイス(粒になったままのスパイス。スパイス使いのノウハウは『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)などにわかりやすく書いてある)を空炒りしてから、自分ですりつぶしてつくるサンバル・パウダー(「サンバル・マサラ」ともいう)は風味も最高(日本で市販されているインド製「サンバル・マサラ」は残念ながらおすすめできない。あれを使って美味なるサンバルは、私にはできない)。
ガラム・マサラと同じように複数のホール・スパイス(粒になったままのスパイス。スパイス使いのノウハウは『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)などにわかりやすく書いてある)を空炒りしてから、自分ですりつぶしてつくるサンバル・パウダー(「サンバル・マサラ」ともいう)は風味も最高(日本で市販されているインド製「サンバル・マサラ」は残念ながらおすすめできない。あれを使って美味なるサンバルは、私にはできない)。
サンバル・パウダーは手づくりガラム・マサラ同様、「サンバル」以外の料理にも応用できる。事実、現地の家庭やレストランでも、サンバル・パウダーをサンバル以外のメニューに活用しているケースは多く、私もいろいろなメニューを教わった。
そんな中でおすすめのレシピの一つが「サンバル・パウダー・フライド・ライス」だ。文字通り、サンバル・パウダーを用いたチャーハン的な炒めご飯で、野菜をメインとした各種具材と一度炊いたご飯を塩とサンバル・パウダーで味つけしながら炒めれば、できあがり。
カレー・リーフ、香菜、カシューナッツなども入れた、いかにも南インド的な「サンバル・パウダー・フライド・ライス」の一例。
中華ぽいチャーハンにサンバル・パウダーを使い、フライド・ライスにしても、おもしろい。
カレー・リーフやチャナ・ダールも入れた新タイプの「サンバル・パウダー」を挽く前の状態。この後、イワタニのミルサーが活躍。
拙著にある配合とは少し異なる。よりスムーズな食感と的確な濃度、そして何より香りのよさがたまらない。
ぜひ、手づくりサンバル・パウダーをマスターしていただきたい。美味なる南インド料理の世界が広がること、確実だ。
★『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334786113
★『カレーな薬膳』(晶文社)
http://www.shobunsha.co.jp/?p=1741
★『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)
http://www.natsume.co.jp/book/index.php?action=show&code=005470
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334786113
★『カレーな薬膳』(晶文社)
http://www.shobunsha.co.jp/?p=1741
★『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)
http://www.natsume.co.jp/book/index.php?action=show&code=005470
《このブログを書いているときのBGM》
SLY & THE FAMILY STONE『STAND!』(1969)
70年代中盤前までのスライは無敵だったが、特にこのアルバムは強力で、全曲が素晴らしい。黒人と白人の男女混合で皆演奏がうまいというのも、画期的だった。
https://www.youtube.com/watch?v=2UZtguoRE5M
SLY & THE FAMILY STONE『STAND!』(1969)
70年代中盤前までのスライは無敵だったが、特にこのアルバムは強力で、全曲が素晴らしい。黒人と白人の男女混合で皆演奏がうまいというのも、画期的だった。
https://www.youtube.com/watch?v=2UZtguoRE5M
★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!